4月10日頃
ぶどうの芽が膨らんできました。
一定の低温を経て、休眠を打破したぶどう達が一斉に芽吹きます。
4月24日
展葉。けばけばに包まれていた葉が脱皮するように外に出てきます。左側の大きい塊が主芽、右の小さい塊を副芽といいます。
この時期に降りる遅霜に日々怯えています。
5月7日頃
だいたい3日に1枚のペースで新しい葉を展葉していきます。先端の方にもこもこしたものが見えますか?これがブドウの赤ちゃん(花芽)です。第1花房は4枚目の葉の節、第2花房は5枚目の葉の節、と決まっています。
この時期には上で記した副芽を掻きとる作業をします。
5月20日頃
葉の成長と共に花房も大きくなってきました。
いよいよ作業も本格化していきます。
この時期では伸びた新しい枝を、他の枝とかぶらないように誘引してとめていきます。
5月28日頃
ぶどうの花が咲きました。
例年より1週間弱早い開花です。
仕事も今が最盛期!!
1回目の摘花と房の花数を制限する整房という作業をしています。
写真の小さな一粒がぶどうの一粒になります。
1房で35粒くらいの最終粒数ですが、おそらく今は1000粒ぐらい花が咲き乱れています。
6月5日頃
上の写真は葡萄の花が満開になった写真です。右が整房という作業が終わった写真です。
整房直後は約4,5cmの長さがあります。この部分が成長して1房の葡萄になります。
整房をすることで光合成でできた養分を効率よく房に送り、種が入りやすくなります。
同じ品種でも種ありと種なしでは整房の仕方とこの後の作業が違います。
種ありでは、開花後受粉し、受精して初めて種が入ります。
ちなみに1房あたりまだ100粒くらいはついているでしょうか。。。
6月20日頃
花が満開の頃は100粒くらいあった粒が、40,50粒くらい着粒しました。(ブドウ自身が淘汰して半分は落ちてしまいます)
そこから摘粒(てきりゅう)という細かい仕事が始まります。
摘粒をしないとぎゅうぎゅうの房になり、粒どうしが押し合い割れたりします。
また1粒も大きくならず、見た目も立派な房になりません。
上の写真は種無しの巨峰の写真です。左が摘粒前。右が摘粒後。
1粒15グラムで30~35粒、400~500グラムの房作りをめざします。
どの部分にどのくらいの粒を残すかで仕上がるブドウのルックスが決まります。
このキメ細かな仕事を今年は約10,000房行います。
先は長ーーーい!!
7月1日頃
だいぶ大きくなりました。
この頃のブドウはぐんぐん大きくなっていきます。
見る間にブドウらしくなりました。
葉っぱ1枚につき1粒のブドウを成熟させると言われているので
それに見合った房の数に制限しています。
残す房が多い(その樹の体力に見合わない)と成熟が遅れて
色、糖度共に上がり切りません。
収穫が遅れると、次の年の花芽の充実が十分できず良い花が
咲きません。 良い花から良いぶどうが出来ます。
7月18日頃
ブドウが着色を始めました。
この時期のことをベレーゾーン(果粒軟化期)または水回り期
と呼びます。
今まで硬かった果肉は柔らかくなり、種子があるものは硬くなります。 糖度は13,4度といったところでしょうか。
天候にもよりますが、だいたい1週間で1度くらいのペースで糖度が上がっていき、一方で酸味は抜けていきます。
目標とする仕上がり糖度は品種により異なりますが、だいたい
18度以上を目指しています。
7月30日頃
ブドウが着色を始めると途端に鳥たちに狙われます。
甘くなってきているのがわかるのですね。
鳥から守るため、またその他の気象条件からブドウを守るために、写真のような防水の紙を1房づつ被せます。
カラスには効かないんですけどね。。。
袋の上についているのはプラスチック製の傘です。
直射日光が当たると袋の中は高温になり、日焼けしてぶよぶよになってしまうのです。
なかなか手のかかる娘たちです!
あとは収穫まで太陽の光を浴びてじっくり熟成してね。
9月1日頃
しっかり色が付きました。
このくらいの色になると糖度は18度以上になっているでしょう。巨峰では糖度18度以上が出荷基準です。
この段階ではまだ酸味も残っているため刺激的な味になっています。
この先1ヶ月で糖度は上がり、代わりに酸度が下がるため、時期により葡萄の味わいも違ってきます。
ちなみに私が好きなタイミングは糖度20度で少し酸味が残っている状態です。
こうして葡萄の一房は出来上がります。